徹底研究!なぜ今、新築で無く中古なのか?
家を購入するにあたって誰もが最初に思う疑問の一つに、「新築と中古物件のどちらがいいのか?」という事があると思います。
この2つの違いを考えた時に、恐らく最初に皆様が持つイメージとしては、新築はキレイで中古は安いという感じが大多数だと思いますが、近年中古物件の人気が「安い」だけでは無く「キレイ・間取りの自由さ」という点からも注目を浴びています。
今人気急上昇中の中古物件の秘密とは一体何なのでしょうか?
それを知る為にも、2つの特長の違いを徹底解析していきたいと思います。
新築と中古の定義とは?
まず、そもそも「新築・中古」の違いとは何なのでしょうか?
「新築」という言葉の意味は、「建物が建築後1年未満、かつ、未使用である」という状況にあるものを示します(公益社団法人首都圏不動産公正取引協議会より)。
つまり厳密に言うと、建築後1年未満でも誰かが住んだり、また未使用でも建築後1年以上が経過してしまいますと、定義上では中古物件の扱いになってしまうのです。
しかしながら実際には、2年未満程度の物についてはあえて「中古」という表記にする必要が無いともされ、「未入居○○」などの表記になっております。
実情として、これらの物を省いた2年以上経過した物件、または、使用された物件を「中古物件」と呼ばれているのです。
ですので、極端な例で言いますと、建てたばかりの新築に1ヶ月人が住んだり、新築から2年間誰も住まない状態でも中古住宅というくくりになるのです。
中古・新築の比較その①:立地
一般的に、立地は中古の方が優れていると言われています。
駅近などの好立地や、社会的インフラが整っている人気エリアは、当然ですが早い時期に既に物件が建てられている所がほとんどだからです。
一方、新築の場合では、利便性の高い土地は既に開発が済んでしまっている所が多いので、中古に比べると不便な場合が多いです。
例外として、まちづくりプロジェクトが活発に進められている都市や地域などに新築マンションや新しい住宅開発分譲地が建てられるケースの場合、新築でも生活しやすい好条件の物件を得る可能性が無くもありませんが、やはり中古と比べると総じて不便だと感じるでしょう。
中古・新築の比較その②:建物の広さ
新築と中古では、広さにも実は差があります。
では、どのような違いがあるのでしょうか?
マンションの場合
首都圏で2013年度に売りに出された例で言いますと、中古の場合50~60m2程度のカップル向けの物に対して、新築だと、60~70m2程度のファミリータイプが多い印象です。
また、30m2未満~100m2以上の物件において、新築によりも中古の方がまんべんない広さの物が売りに出されている傾向があります。
但し、この差というのは非常に微妙な程度の差ですので、さほど気になる物では無いでしょう。
一戸建ての場合
一戸建ての場合専有面積は様々な物があるのですが、中古物件の方が広い家の方が割合的に多い傾向にあります。
新築では90~100m2程度の物件が多く見られ130m2以上の物件は極端に少ないのですが、中古の場合130m2以上の物件も多く見られます。
広さに関しては、新築・中古で比べても、さほど気になる差は無いと思います。
但し、130m2以上の一戸建てを求める場合でしたら、中古物件で考えた方が良いでしょう。
中古・新築の比較その③:間取り
間取りに関しては、一戸建て・マンション共に、新築の方がバリエーションに飛んでいます。
通常この点に関しては、中古は新築には及びません。
しかしながら、中古物件の場合はリノベーションをする事により、間取りを自在に変える事が可能となります。
リノベーションとは、リフォームのように建物を修繕するのではなく、既存の建物に大規模な工事を行うことを言うのですが、この場合仕組みのある程度固定された新築よりも、間取りの自由度が高くなります。
また、価格面でも新築を購入するより中古物件をリノベーションした方が安く済む場合が多いので、間取り面でも、中古物件の方が人気が高い傾向にあります。
加えて、先程の古い物件の方が広いというお話にも絡んで来ますが、4LDKまでの物件を探すのでしたら新築・中古に拘らず探せますが、5LDKを超えるような広さ重視の場合は新築にはなかなか見られませんので、中古で探すと良いでしょう。
中古・新築の比較その④:外観・内装
外観に関しては、新築は一戸建てマンションに関わらず、非常にキレイです。
また、その土地や、住む人のニーズに合わせたデザインとなっております。
中古の場合は新築に比べますと経過年数により劣化してしまいますが、リフォーム・リノベーションをしている場合は新築同様非常にキレイな外観となります。
前項でお伝えしたように、間取りもアレンジが自由に出来るという事から、中古物件を購入してから好みに合わせてリノベーションするなんて事も珍しくありません。
中古・新築の比較その⑤:自由度・アレンジ度
設計段階から自身でゼロから建てる場合の新築なら自由度が一番高いですが、一般的な新築の場合、既に設計が決まっている物がほとんどで、実際に自身が選ぶ事が出来るのは仕上げなどの表面的な部分のみの場合が多く、間取りを変更するなどというような高い自由度はあまりありません。
一方、中古物件の場合、その安さを利用して「リフォーム」や骨組みの状態まで解体してから設計しなおす「リノベーション」をする事も出来るので、自由度は断然中古物件の方が良いと言えるでしょう。
中古・新築の比較その⑥:安心感
安心感は、当然ですが新築に軍配が上がります。
リフォームしていても中古物件の場合だと、目に見えない疲弊がある可能性があります。
また、断熱・耐震性に関しても、新築なら最新の技術を利用しているのに対し、中古物件だと品質の劣化が今どの程度の状態かわかりにくい状況です。
ですので、安心感で選ぶのでしたら間違い無く新築です。
但し、中古でも築年数がそれほど経過している物で無ければ、耐久度は十分な物ですのでさほど気にする必要はございません。
耐震強度の基準がより厳しい内容に変更されたのが1981年なのですが、それ以前か以降かというのがポイントになります。
また、逆に新築だからと言って、全ての新築に耐震などの最新技術が使われている訳ではありません。
新築だからと言って安心してしまわぬよう、注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ざっとまとめると、新築のメリットは、「新しい」・「間取りのバリエーションが多い」・「安心感がある」という事。
対して、中古のメリットは「交通や社会、生活に便利」という所なのですが、中古マンションも築年数の浅い物でしたら安全性が高く、新しさに関してもリフォームをすれば新築同様の新しい状態で使う事が出来ます。
また近年、リノベーションという選択肢が加わった事により間取りも自由に帰られるので、新築のメリットの部分もほとんど差が無くなって来たと思います。
そのような背景から、新築は近年では必ずしもメリットとは言えなくなってきていて、それゆえに中古物件に人気が集中しているのです。
経験上では、人が過去に住んだ事や見えない劣化が少しでもあるのはやっぱり気になるという方以外でしたら、中古を購入する方を断然おススメします。
次回のまとめで残りの項目に関してもまとめさせて頂きますが、新築・中古の比較材料は沢山ありますので、ご自身の目でしっかりと見て頂き、検討頂ければ幸いです。